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方円掲載作品(2023年)

1月号(第419号)
方円秀韻抄

あきつ飛ぶ背ナに暴悪大笑面
円象集 「登高」
登高や次の山には次の神
冬さうび情熱はなほ我が内に
帰り花生に無駄なしてふ言葉
(マザー・テレサ)
湖を背に仏を前に冬さうび
子午線の向かうも晴るる冬はじめ
あきつ飛ぶ背ナに暴悪大笑面(渡岸寺十一面観音)

2月号(第420号)

方円秀韻抄
微風には微動で応ふ冬芒
円象集 「冬虹」
冬虹や都へ続く捨て畑
都鳥皆川下へ向きにけり
返り花人とは迷ふものなりと
微風には微動で応ふ冬芒
疫の世や歓喜の歌もマスク越し
寒鴉病の如き声をあぐ

3月号(第421号)

方円秀韻抄
寒鴉神の山より高鳴けり
円象集 「風過ぎて
寒林や風過ぎてまた風来る
寒鴉神の山より高鳴けり
からからと絵馬打つ風や冬日和
今朝の霜消ゆることなく昏れにけり
初日の出待たずして鳥動き出す​
信心が大事と説ける初御籤

4月号(第422号・最終号)
方円秀韻抄

それぞれの目的地あり鴨泳ぐ

円象集 「梅探る」

春立つや汚れの落ちぬ作業服

冬耕の日当たる向きへ進みけり

梅探る病める心と向き合うて

蒲公英や人とは弱きものなりと

梅早し雲立ち去りてまた来たる

​それぞれの目的地あり鴨泳ぐ

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